実験計画法を自力でやってみる:④各因子の効果を求める

前回の記事でデータ取得が完了したので、ようやくここから解析に入る。

 

使用するデータ

改めて使用するデータは以下の通り。3因子3水準の実験をL9直交表に割り当てて取得したデータを使用する。

f:id:Chemstat:20220319001133p:plain 

各因子の効果を計算する

直交表の性質についてはこの記事を参考いただくとして、水準ごとの平均値をとることで、その効果が評価できる。例えば温度が100℃の時の効果を知りたければ、1~3行目の平均をとり、全体の平均と比べればよい。

これは繰り返し作業なので、下の表をご参照下さい。

 

①温度の効果

②速度の効果

③樹脂の効果

④誤差

誤差については因子を割り付けていないが、直交表の上では成分が割り当てられているので、それに従ってこちらも効果を計算しておく。

各因子の効果をグラフにしてみる

これまで得られたデータをグラフにするとこんな感じになる。

誤差項の変化がほぼないのに対して、温度・速度・樹脂のいずれの項も大きく変動しており、傾向が見える。

 

さらに、温度と速度は連続的に変化出来る値なので、膜厚ばらつきとの関係を散布図にしてみると以下のようになる。

こう見ると低温、低速度の条件が膜厚ばらつきが小さくできそうだという事の予想がつく。実験計画法を使うとどんな因子がどの程度影響を及ぼしているか、効率よく調べることが出来る。

 

次回は分散分析表を作成し、有意差検定を行う。