実験計画法を自力でやってみる:⑤分散分析

前回の記事で基本的な解析が完了した。実務的にはこれで十分なことが多いとは思うのだが、一応分散分析もやっておく。

 

使用するデータ

改めて使用するデータは以下の通り。3因子3水準の実験をL9直交表に割り当てて取得したデータを使用する。

f:id:Chemstat:20220319001133p:plain 

 

各因子の効果を分離する

前回の記事で、各因子の要素別で平均値を計算した。

平方平均を計算する時には

これを「全体の平均値+温度の効果+速度の効果+樹脂の効果+誤差の効果」

と分離できる。

 

平方和を計算する

各データを分解すると以下のようになる。このデータをすべて二乗しても、両辺の平方和が等しいというのが直交表の性質である。詳細はこの記事を参照頂きたい。

 

分散分析表を作る

分散分析表は下記の式で計算できる。しかし、計画の段階で1因子を誤差に割り当てておかないと分散分析表が出来ないことに注意する必要がある。

 

平方和:上図の各因子から抜粋

自由度:各因子の水準数-1

平方平均:平方和/自由度

F値:因子の平方平均/誤差の平方平均。

 

p値については、エクセルでF値と自由度を入力すれば計算できる。平方平均をグラフすると、誤差に対して各因子の変動が非常に大きいことが見てわかる。

これで実験計画法の解説がようやく終了した。今回は作ったデータなので、わかりやすい結果が得られたが、実際には解釈に悩むことが多い。それでも繰り返していくことで、使える場面、使えない場面が分かってくる思うので是非試してみてほしい。