前回実験計画法の概要について説明したので、今回からは詳細について解説していく。
まず直交表に割り当てるところから始まる。
①直交表の選択
まず振りたい実験内容を考える。
こんな感じで材料とプロセスを3因子3水準を振って膜厚の傾向を見たいと思ったとする。これに対して因子数、水準数がどちらも大きい直交表なら割り付けることが出来る。
今回は4因子3水準系のL9直交表に割り付けてみる。
化学系だと大量に実験するのが難しい場合もあり大体L16以下になる気がする。
ここで因子数が余れば誤差として割り当てることで、分散分析を行うことが出来る。
実際には、どのくらいの評価誤差があるか、どのくらい性能が動いたら有意かは経験的に分かっている場合が多いのでなくても困らない場合が多い。
その他の直交表についてはこちらの記事をご覧ください。
②交互作用の考慮
交互作用についての詳細はこちらをどうぞ。
交互作用があると予想される場合は割りつける列に注意が必要である。
交互作用も誤差も気になる!となったら主因子は2列しか使えなくなっちゃうので、もはやただの総当たり実験になったりする。この辺のバランスはどんな意図で実験をするかに大きく依存するので、解がなくて難しい所である。
③水準が余った時(擬水準)
実際にはこんな感じできれいな3×3ではなく、一因子だけ二水準でいい、というパターンもある。そんな時は擬水準といって、余った水準にもう一回同じ水準を割り付けることが出来る。より重要な(性能がいいはず、色々な組み合わせを試したい)水準を繰り返し割り付けるとよい。
④水準が多いとき(多水準)
他にも、一つの因子は沢山振りたいけど、他は2水準ずつでいいといった場合もある。
そんな時は複数の因子をまとめて、水準数を増やすことが出来る。
例えば、2水準(自由度1)の列を3つまとめることで、4水準(自由度3)の列を1つ作ることが出来る。
下はL8直交表の3列をまとめて1因子4水準系にまとめたもの。
この時に注意が必要なのはまとめる列にはルールがあり、まとめた後の列が、その他の列と直交していなければならない。原因子の列(下図ではA、B)と交互作用が現れる列(A×B)をまとめるといいのだが、本当にこの列をまとめていいのか不安になってしまうと思うので、こちらの直交表一覧の記事を参考にしてもらうのが手っ取り早いと思う。
実際に割り付けるとこんな感じになる。
以上が直交表のへの割り当ての大体説明できたかと思う。
次回はデータ取得編に進んでいこう。