工程能力指数について学ぶ

製造プロセスの安定性を示す工程能力指数という指標がある。

 

計算式はこちら

 \begin{align*}\hat{C}_p=\frac{規格上限-規格下限}{6\sigma}\end{align*}

製品のスペックに対して製造ばらつきが小さいほど工程能力指数は大きくなり、製造プロセスが安定しているということになる。

Wikipediaに丁寧な説明があるのでまずはこちらを見てほしい。 

 

膜厚の規格が5000μm±150μmのサンプルを1000ロット評価して、膜厚の標準偏差が30μmだった場合工程能力指数は

\begin{align*}\hat{C}_p=\frac{5150-4850}{6\times30}=\frac{300}{180}=1.67\end{align*}

となる。

 

逆算すると、規格幅の300μm=±5σに相当するので、(ばらつきが正規分布に従うならば)99.9999%は規格内に入ることになる。

f:id:Chemstat:20210207222224j:plain

 

工程能力指数は1.33~1.67以上あれば十分とされることが多いが、製品のばらつきを変えた時にどのようになるかをシミュレーションしてみた。

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\hat{C}_p=1.33だと規格幅=±4σなので99.99%が規格内に、\hat{C}_p=1だと規格幅=±3σなので99.7%が規格内に収まるはずである。

図にしてみると確かに1.67くらいないと不安になるばらつきをしている。

 

当然ながら規格幅を厳しくしても指数は小さくなる。

f:id:Chemstat:20210207215021j:plainちなみにこのグラフ描くの結構苦労したので別の記事にまとめておいた。

 

参考サイト

工程能力指数:工程能力指数 - Wikipedia